体調が悪くても、自分の力で癒すことが可能です。専門的な医学知識がなくても、すぐに気分をよくすることができるのです。あなたに必要なのはただひとつ……微笑みです。関節炎、痛風、リューマチといった、治療困難な病気を抱えている方は、たぶんこのアドバイスがありふれたものだとお感じになることでしょう。坐骨神経痛や割れるような頭痛に苦しんでいたら、おそらく、微笑む気分になどなれないと思います。
でも、このアドバイスをバカにしないでください。これはチューリン大学のファブリツィオ・ベネデッティ教授の研究に基づいているからです。同教授はプラシーボ効果について研究しています。プラシーボとは、有効成分を含まない錠剤や服薬を指します。有効成分が含まれないにもかかわらず、「効果抜群の新しい治療薬が開発されました」といって患者に処方すると、奇跡的な回復を遂げるといいます。
ベネデッティ教授の説によりますと、プラシーボは体内で生産されるエンドルフィンという物質を刺激することによって効果を発揮するのだそうです。エンドルフィンには痛みを抑える効果があるのです。同教授はナクソロンを患者に処方することで自説を証明しました。ナクソロンにはエンドルフィンの分泌を妨害する働きがあります。ナクソロンを処方された患者にはプラシーボ効果が現れなかったのです。
それでは、何がエンドルフィンの生産を促すのでしょう。プラシーボの錠剤に有効な成分が含まれていないのですから、残るのは「気分をよくする効果」しかありません。ここでは、患者の知覚作用が大きな影響をおよぼすことがわかっています。鎮痛薬を装った錠剤の場合、青や黄や緑の錠剤よりも、赤の錠剤がより効果を発揮するそうです。鎮静薬を装った錠剤をアメリカの学生に与えたところ、ピンクの錠剤よりも青の錠剤のほうが有効だったそうです。
有能な医師は、患者に温かな気遣いを見せることがどんな良薬にも勝ることを知っています。英国のエクスター大学で教鞭をとる代替医学教授のエドザルド・エルンスト氏によると、堅苦しくて冷たい性格の医師にかかった患者は回復率が低まるそうです。この事実については、病院の医師よりも、鍼灸師や整骨医といった代替医療の開業者のほうが、よく理解しているようです。
顔の筋肉を弛緩させ、楽しい考えを心に解き放ちたいですか?でしたら、シンプルながら効果抜群のテクニックがあります。それはエンドルフィンを分泌する確実な方法でもあります。もうおわかりですね。そのテクニックとは、微笑むことです!